Q本かよ

【プロフィール】Q本かよ(きゅうもと かよ)
【生年月日】1982年9月6日
【出身地】石川県能登半島 【身長】154cm
【特技】ソフトテニス
【趣味】生活
【略歴】
慶応義塾大学環境情報学部を卒業後、広告業界でデザイナー・コピーライターとして活動。30歳から芝居の道を志し、大阪にて舞台を中心に活動開始。2016年の上京後も多くの演劇作品に出演し、近年ではTVCMやドラマ・映画など活動の場を広げている。特技はソフトテニスで、学生時代に全国優勝したことがあるのが人生の自慢。短所は方向音痴と遅刻癖。忘れものばかりする怠け者です。アニモプロデュース所属。

Q1.演劇、俳優を始めたきっかけ:「ガラスの仮面。」


幼少期から漫画をよく読む人間だったのですが、
家に、母の愛読書として『エースをねらえ!』と『ガラスの仮面』があって。
テニスの漫画と演劇の漫画ですね。
で、演劇もテニスもやってみたかったけど、当時、能登半島というド田舎には演劇をやるような環境はなくて。でも、テニスをやる環境はあったんですよ。
テニスと言ってもソフトテニスなのですが、地域のスポーツ少年団がめちゃくちゃ強くて。だから、とりあえずテニスを始めて。そしたら、環境や指導者に恵まれているものだから、うっかり強くなっちゃって。中学校で全日本チャンピオンとかになっちゃって。その勢いでそのまま大学までソフトテニスをやってました。

で、結婚して(唐突)、大阪で広告の仕事をしてたんですけど、ある日映画館で、劇団☆新感線の『薔薇とサムライ』を観たんですよ。ゲキ×シネの。その時に

「あ、そう言えばわたし演劇もやりたいんだった」

と思い出して。
すぐ「大阪 劇団」とかで検索して、
一番上に出てきた「劇団レトルト内閣」の舞台を観にいって(面白かった)、その次のレトルト内閣の出演者オーディションを受けて(受かった)、大阪のHEP HALLで上演した『倦怠アヴァンチュール』が初舞台となりました。ちょうど30歳の年の話です。

Q2.影響を受けたもの、私をカタチ作ったもの:「テニスコートと本」


先に話したとおり、学生時代ずーっとソフトテニスをしていたので、
自分との向き合い方とか、課題への取り組み方とか、スポ根とはちょっと違う気がするけれども、前に進むための人生哲学みたいなものは、全部テニスコートで学んだように思います。
と同時に、昔からとにかく本が好きで、漫画も読んだけれどもそれ以上に小説が大好きで、学校の本も家の本棚にある本も、本という本を片っ端から読む子どもでした。
(小学生のときに父の本棚にあった官能小説を読んでドキドキして、誰にも言えなかったりした)

で、ですね。
テニスコートで学んだことが「強さとは」「正しさとは」みたいなことだったとして、でも小説の中には「弱い者」「正しくあれなかった者」がたくさん出てくるじゃないですか。そして読みながら、そういう人物に愛を感じたり自分が救われたりする。
うまく言えないけれども、何となくそういう矛盾に触れながら、わたしの価値観は練られてきた気がします。強く正しくありたい気持ちと、そうでなさを愛したい気持ちが、両方ある
俳優としても、わりとそんな感じです。人間ってみんなそうだよなとも思う。
芝居でも、アンビバレントの中にこそ「本当」を感じるし、そういう風に演じられたらいいなと思っています。

Q3.私の好きなこと:「デート」


人とデートするのが好きです。
これまで生きてきて思うことのひとつに
「サシで喋って面白くない人なんていない」
というのがあって、だからわたしはデートがすきです。
とくに初デートはいいよね。何着てこうとか考えるのも楽しいし、ちょっと緊張するのもいい。たぶん人間が好きなんです。だからわたしはいつだってデートがしたい。

Q4.最近考えたこと、感じたこと:「人生の雑味について」


ああもう人生がなげぇな!と、ふとした時に思います。
40年以上生きてきて、最近感じているのは、20代の頃に掲げた理想とか、自分に課したルールとか、美学とか、そういうものを大切にすることに、わたしは飽きてきたのかもしれない、ということです。

人生が一枚の絵だとして。
ここはぜったい赤!それが美しい!と思って赤を塗っているうちはいいけれども、もう十分に赤を塗り終えているのに、そしてその美しさに納得もしているのに、
「まだ時間ありますよ、絵の具だってたくさんありますよ」、と言われたら、どうするかな、みたいな話。を、考えたりしました。どうしますか?
わたしはまだ答えが出ない。

Q5.今回の脚本を読んだ時の感想、印象:「むっず」


脚本を読み終えたときの第一声「むっず」だった気がします。
配役は聞いていたので恵子役として読んだのですが、これはむずかしい役!と思いました。分からないところがけっこうあった。
「おそらくこういう事だよな…?」
という自分なりの解釈は勿論あったけれども、阿久津さんとは今回が初めましてだし、これはヘンに気張らず阿久津さんに直接聞いてみよう、と思って稽古初日に臨みました。そして何度かのディスカッションを経た今となっては、やっぱり「むっず」と思っています笑。
ただ、わたしは恵子さんが好きです。
言葉にするのが難しい、味のしないモヤモヤを噛み殺して生きてきた人だと思う。し、恵子を通して、この作品が、そういう人に何かを残せる作品になるといいなと思っています。

Q6.最後に自由にメッセージ


文章が長い!
こういうのって簡潔に書いた方がなんかセンスよさそうだしカッコイイと思っているのに!うっかりたくさん書きました。読んでくれた方ありがとうございます。うれしいです。
今回、キャスト&スタッフ含めて、座組に面白い人が揃っているなーとワクワクしているので、きっといい作品になると思います。
絶対に観にきてください。

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演出家コメント


恵子(けいこ) 役、Q本かよさん。
もあダむvol.2『MEME』の主演です。

「私たちの生活」と「戦争」をテーマに掲げて描き始めた今作。
脱稿した際、とある疑問を抱きました。

「果たして、この恵子という役を演じ切ることのできる俳優がいるのだろうか。」

少し話は逸れますが、ぼくは脚本を書くとき、
まずは全体としてのおおまかなイメージテーマを設定します。
それが済んだらその後は、具体的に登場人物たちについて設定していく工程に入ります。
それくらいしかしていません。
あとはシーンとしての状況を設定すれば、そこにいる登場人物たちが勝手に会話をしてくれるので、ぼくはそれを文字起こしするだけです。
しかし逆に言うと、「作品を完成させてから俳優を探す」ため、
キャスティングに難儀することがよくあります。

ここで冒頭の問いに戻ります。
今回の作品は、とりわけ難しいテーマを扱っていることもあり、
脚本のクオリティを担保することはさることながら、
演じる俳優も、かなり厳正に選ばなければならないと感じていました。
中途半端は許されません

そもそも、オーディションで実際にお会いした88名のなかで、
役柄に当てはまる年齢の俳優からの応募は、全体の中でもほんのひと握り
加えて、みなさん本当に素敵ではあったのですが、「この人だ!」という確信を得られるような俳優には出会うことができませんでした。
それでもぼくは、妥協したくありませんでした。

恵子。
今回の主演。
最も重要な役。
さて、どうしたものか。

そんなとき、ぼくの頭にピンと浮かんだのがQ本さんでした。

たまたま直近でぼくが拝見していたお芝居に出演されていたQ本さん。
そのときのQ本さんの姿に、表現に、
ぼくはとても心惹かれたのです。

もちろん、当時お互いに面識なんてありませんでしたが、
恵子のことを考えれば考えるほど、
恵子役=Q本かよ
というイメージが、ぼくの中で強くなっていきました。

「渾身の脚本。
この役は、あなたにやってほしいんです。」

ぼくがどんな作品を創るのか、どんな作品を創りたいと思っているのか。
前作『バター、トースト、ジャム』の記録映像とともに、
ほとんどラブレターのようなメールを送り、彼女からの返信を待ちました。
その後、Q本さんの温かい人柄の伝わってくる柔和な文面

「ぜひご一緒させてください」

というお返事がありました。
そのときの安堵した気持ち。
そしてなにより
「これはすごい作品になるぞ」
高揚した気持ちを、今でも覚えています。
それは、2か月弱の稽古期間を経た今でも、全く変わりません

ここで改めて言っておきます。
ぼくはQさんのお芝居が大好きです。

内側にある繊細な感情が、ものすごい密度で表出するんです。
大きな表現をしなくても届くんです。

心から尊敬しています。
Qさんのお芝居に向き合う姿勢。人とのかかわり方。
適度に隙をつくってくれるところも、それでいてドンと構えていてくれるところも、周りの人が気を遣わくてもいいように、いつも人一倍気を配っていてくれているところも、全部、とってもすごい人です。
愛に溢れている人です。
Q本さんに会えて本当によかった
あのときメールした自分を本当に褒めてやりたいです。

2か月弱の稽古期間。
Qさんは、ぼくが思い描いていた遥か遠くまで、
恵子という難役を深めてくれました。
感謝しかありません。
残すは作品を届けるのみです。

もあダむvol.2『MEME』。
どうぞ、見届けてください。

(阿久津京介)

クラウドファンディングのご案内


もあダむvol.2『MEME』は、
2024/6/26(水)~7/3(水)、下北沢シアター711にて上演されます。

クラウドファンディングにご参加頂くと、
支援者限定で当HP上で公開中の、【稽古場日誌】がご覧いただけます。
(※「出演者を応援コース」を除く)
実際の上演だけでなく、「創作の過程」を併せて体験して頂ければ何よりです。

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