【プロフィール】朝倉真琴(あさくら・まこと)
【生年月日】1996年5月20日 【出身地】高知県 【身長】158cm
【特技】バスケットボール(6年)、バレーボール(3年)
【趣味】ロープウェイに乗ること
【略歴】
大学在学中に、「早稲田大学演劇研究会」に入会。以後2年ほど在籍し舞台を踏む。
2022年から舞台での活動を再開し、出演を重ねている。見た目に沿わず運動神経は良い。
《 主な出演作品 》
キ上の空論 R-18 『ピーチの果て、ビーチのアビス、つまりはノーサイド』
(作・演出:中島庸介 モエ役)
演劇引力廣島プロデュース公演『 目頭を押さえた 』
(作・演出:横山拓也( iaku ) 藤城琴依 役) など、他多数。
Q1.演劇、俳優を始めたきっかけ:「変わりたいと思ったから。」
きっかけは、一人の人間として成長したいと思ったからでした。
わたしには、自分のできないことに挑戦することで少しずつ見えてくる新しい世界を知りたい、体験していきたい、という切実な欲があります。
高校までは、「大人しく真面目に平穏に過ごしていたら人生に間違いはないはず」、と思い込んでいて。
「表現する」、みたいなことも知らないまま、
失敗しないように自分を制限して、どこか義務的に、勉強や部活に取り組む生活をしていました。
演劇とは何の縁もありませんでした。
でも、人前に立つことも、自分の意見を人に伝えることでさえ
自信も勇気もなく、何もできない、してこなかった自分が悔しくて。
「変わりたい」と思った時に、早稲田の演劇研究会の舞台を観ました。
生身の人間の圧のある感情表現を目の当たりにして、衝撃を受けました。
生命力が剥き出し、という感じで、かっこよさと恐ろしさを感じると同時に、ものすごく生きる力をもらいました。
「人ってこんなことができるんだ!」と、キラキラした気持ちで家に帰ったのを覚えています。
でも、俳優が行うようなことは、わたしにとって一番苦手なことで。
今もまだまだ学んでいる最中ですが、
わたしもあんな風に自分のできることが、楽しいとか幸せと感じるものが増えたら
もしかすると人にも与えられるものが多くなって、幸せがより増えるのでは、と思います。
Q2.影響を受けたもの、私をカタチ作ったもの:「演劇。」
一番影響を受けたのは、やはり演劇だと思います。
今までの人生を覆すような今の自分を作ったのは、演劇に触れてからでした。
それは苦手だった、そもそも感情を出すという部分で、色濃く現れていると思います。
特に、演劇を始めるきっかけとなった早稲田の演劇研究会での訓練の経験は、
引っ込み思案で、人前で話すのもハードルが高かったわたしにとって、
精神的にも体力的にも厳しく大変な時間でした。
求められていたことができたわけでもなく、
その時のことは、いま振り返るのも恐ろしいような経験ではありますが、
でも、間違いなくわたしの中に息づいていて。
今までの、そしてこれからの成長の糧になっています。
無理矢理にでも多くの失敗をさせてもらえる場所でした。
今もあの時に求められていたことができる自信はなく、本当にまだまだ勉強中ですが、
人間の本質のようなものをより知ることができました。
こうやって振り返ってみて、わたしの中の演劇の大きさを改めて感じています。
Q3.役作りや稽古の準備のはじまり:「何度も何度も聴く。」
役作りは役を理解することから始まると思っているので、
役に関する状況や職業などについて必要なことはもちろん調べますが、
その手段の一つとして、まずはセリフを録音して、何度も何度も聴きます。
料理をしているときも
洗濯物を畳んでいるときも
お風呂に入っているときも
お化粧をしているときも、聴きます。
聴くのが嫌になったときは聴かないようにします。笑
そうするとセリフも覚えやすくなりますし、
この人はどういう人なのか、何を意図して言っているのか、わかってくる瞬間があって。
「意外とこういう人なのかもしれない」、と色んな角度からの想像も膨らみます。
まだ色々と実験をしているところで、これからも試行錯誤していこうと思います!
Q4.演技、お芝居について最近考えたこと:「俳優ってかっこいい。演劇って素晴らしい。」
最近、とても素敵な舞台を観る機会があり、やっぱり演劇の力ってすごい、と改めて感じました。
わたしの個人的な感覚ですが、
俳優さんの丁寧で真摯な演技で支配された舞台には、
お客さんもそれを見逃すまいと惹き込まれますし、
良い緊張感と集中力で満ちたその空間には、
恋をしてしまうような、ドキドキする感覚を抱きます。
やっぱり、俳優さんってかっこいいです。
そして、素敵な作品からは、日常を愛せるきっかけをもらえているように思います。
わたしとは違う、他人である様々な登場人物。
その視点で舞台上、その場で起こる出来事を観ていると、
毎日の本当にちょっとしたことでもわたしたちは喜びや悲しみを与え合っていて。
日常は、誰かにとっての何か重要かもしれない出来事で溢れていることを知れます。
それが生きる潤いになっていると思うと、どんな瞬間も尊く貴重で、大切にしようと思えます。
そういうふうに人に思わせる演劇というものは、素晴らしく感じますし
それを今まで以上に人に感じてもらえるような俳優になりたいと、改めて思いました。
Q5.俳優としての座右の銘:「我以外皆我師。」
我以外皆我師。
常に、どんなことからも驕らず謙虚に学ぼうと心がけています。
Q6.最後に自由にメッセージ:「熱い気持ちで取り組みます。」
尊敬する阿久津さんの旗揚げ公演にご一緒できること、とても嬉しく思います。
わたしにとっては初挑戦になるような役どころで、演じることがとても楽しみです。
座組み一同、熱い気持ちで取り組んでいきます。
ぜひ劇場でお待ちしています!
演出家コメント
朝倉真琴さん。
全身からマイナスイオンが出ているような
柔和で、ほんわかとした雰囲気を持った方です。
Q&Aの文章からもなんとなく伝わるかとも思いますが、非常に謙虚で聡明な方でもあります。
そして何より、異常なほどにストイック。
「自分を変えたいと思ってお芝居を始めた」、というのを読んで、非常に合点がいきました。
ぼくは、彼女が「自分のお芝居に満足している姿」を見たことが一度もありません。
それは、演出を聞いているときの態度を見ていればよくわかります。
聞き方が悪いとか、態度が悪いとか、決してそういうことではないのですが、
お芝居をした後の彼女はいつも、悔しさを滲ませた、何とも言えない表情をしています。
「上手くできなかったな」
「もっとこうしていたら」
そんな声が聞こえてくる顔。表情。
こちらが彼女のお芝居に対してプラスのことを言っても変わりません。
理想と現実のギャップ。
それはきっと、彼女を永遠に苦しめ続けると思います。
この文章を読んだ彼女がどんな感想を抱くのか、
どんな顔をするのかはわかりませんが(恐らくまた悔しい顔ーともすれば反省?)
ぼくは、それはとても良いことだと思います。
安心しないこと。
常に自分を疑い続けること。
より良い形を模索し続けること。
そもそも、お芝居に近道なんてものは存在しません。
楽しい瞬間ばかりではありません。
彼女はそれが身に染みてわかっている。理解している。
だからこそ伸びる。
悔しさ。
「まだまだ」「もっと」
彼女がその姿勢を緩めることはありません。
彼女ほど不器用で負けず嫌いな人間はそういないと思います。
現に今回、他のキャストから遅れての合流になったにも関わらず、
彼女の集中力や成長スピードには目を見張るものがあります。
今回彼女に託した「マミ」という役は、
そんな彼女と、ある意味では真逆の役です。
演じていて苦しい瞬間も多いと思います。
でも、大丈夫。
この役は、朝倉さんだからこそ演じることができるんだとぼくは思います。
丁寧に、丁寧に、役を掘り下げられる彼女なら。
咀嚼できる彼女なら。
彼女にしかいけないところまで
できないレベルまで
深く。
深く。
歯を食いしばりながら食らいつく。
泥まみれになりながらもがく。
朝倉真琴とは、実に気高く、美しい人です。
(阿久津京介)
【朝倉真琴扱い】バター、トースト、ジャム 予約フォーム (quartet-online.net)
クラウドファンディングのご案内
もあダむ旗揚げ公演『バター、トースト、ジャム』は、
2023/8/3(木)~8/4(火)、王子小劇場にて上演されます。
クラウドファンディングにご参加頂くと、
支援者限定の【稽古場日誌】がご覧いただけます。(※「出演者を応援コース」を除く)
また、「『もっと』創作過程を見つめるコース」をご支援いただくと、【稽古場日誌】に加え、俳優の感想・変化などをお届け致します。
実際の上演だけでなく、「創作の過程」を併せて体験して頂ければ何よりです。