【プロフィール】関口 蒼(せきぐち あお)
【生年月日】1999年1月21日生まれ
【出身地】東京都 【身長】159cm
【特技】ダンス、ヨガ、接客
【趣味】映画鑑賞、酵素浴、カラオケ
【略歴】
新世代ダンスボーカルユニット“TEMPURAKIDZ”として2013年から2021年まで活動。
グループ卒業後、本格的に女優として活動開始し、舞台や映画などに出演。
主な出演作に、映画『彼女たちの話』(野本梢監督)、『光る鯨』主演(森田博之監督)
舞台『役者の証』(作•演 三浦大輔)、もあダむ旗揚げ公演『バター、トースト、ジャム』(作•演 阿久津京介)
MV sumika『Jasmine』、宮川大聖『君色の魔法』などがある。
Q1.演劇、俳優を始めたきっかけ:「事務所のマネージャーさんからの薦めで」
3年前までダンスヴォーカルグループで活動をしていて、
その時のマネージャーさんが事務所の演技レッスンに通わせてくれました。
それまでの私は固定概念が強く自分の世界だけで生きているような人間だったので、世界を広げようと考えてくれていたようで、今となっては本当に感謝しています。
演技レッスンに参加すると、講師の方に早速、
「あなたは今まで感情を押し殺して生きてきたでしょ」
と言われて、はっとなり、今までの自分を振り返るきっかけになりました。
組織の中で生きていく上ではその方が物事うまく回るかもですが、俳優は感情が出ちゃうような非日常なシーンも多いから、感情が出せないといけない。
お芝居をしていく中で新しい自分を発見したり、今の自分と向き合わされる時間が増えることで自分への興味が出てきたし、どの作品の登場人物も魅力的な役ばかりだから、
これを演じなきゃいけないとなると、普段の私も魅力的にならないと無理だ、今のままの自分じゃとても2時間も見てられない。
「普段の生活から変えていかなければ」
と思うようになりました。
それからは自分の価値観や考え方を大事にするようになったし、人とぶつかることを恐れずに
「私はこう思う。」
と、自分の心に嘘をつかずに、感情をあえて出すようになりました。
なので昔に比べると人と喧嘩することが増えましたね。
元々感情表現ができない人間だったからこそ、今は自分の感情を大事にしたい気持ちが強くて、
最近は言いすぎて反省することも増えたので…
これからは、その上で一旦踏みとどまって、相手の気持ちも考えられる人間になりたいなと思います。なんだか長くなりましたが…
現場ではもちろん、毎週のレッスンでも常に課題があって、自分の成長欲求をずっと満たしてくれる職業なので、この「俳優」という仕事を続けていけるんだと思っています。
Q2.影響を受けたもの、私をカタチ作ったもの:「親が好きだった映画や音楽、ダンス」
まず、親が映画好き、音楽好きだったことはありますね。
実家のお父さんの部屋にプロジェクターがあって毎晩映画を流していて、小さい頃からよく洋画をみてました。
エイリアン出てくる系とか
地球が終わる系とか、予知能力とか。
最近観た映画よりも、頭で考えないで観てたからか、いろんなシーンを鮮明に覚えていて、小さい頃の記憶ってすごいなあと思います。
映画館も好きですけど、今でも家で寝る前に映画を観るのが楽しみです。
音楽はMr.ChildrenとB’zとゆずとビヨンセを小さい頃ひたすら聞かされていて、毎週土日は家族で海とか公園に車で出かけていたので、ドライブ中にずーっと流れてました。
あとはダンスですね。
ビヨンセのライブに小学生の時に連れて行ってもらったことがあって。
それから「ダンスをやりたい」と言い出したらしいので、ダンスのきっかけはビヨンセなんだと思います。
小学2年生から近所のスクールで習い始めて、ダンスのコンテストに出場したり、キッズアパレルブランドのダンサーをしたり、バスケチームのダンサーをしたり。
小学6年生からは、きゃりーぱみゅぱみゅさんのバックダンサーをはじめて、
中学1年生のときからTEMPURAKIDZというダンスヴォーカルグループで活動をしていました。
当時は将来のこととか何も考えずに踊ってました。
進路を考える段階でやりたいことを探すというよりは、
気づいたらやっているという状況だったので、続けさせてくれていた母に感謝です…
今はお芝居の方に重点を置いてますが、
ダンスをしていなかったら今の事務所にもお世話になっていないですし、今は事務所のアイドルの方々の育成レッスンをさせてもらっていて、教える側のこともダンスに教えてもらっています。
身体の使い方とか、物理的なところもそうですけど、
お芝居の考え方で困った時も、ダンスに置き換えて考えたりしてみてます。
Q3.私の好きなこと:「議論」
自分でめんどくさいなと思うんですけど、議論するのが好きなことに最近気づきました。
好きな人とか尊敬する人の意見を聞いたり、その話題についていろんな矢印から議論するのが面白くて、気づいたら朝まで話してたりします。
批評するというよりは、
「知りたい!」のスタンスですね。
「わかるわかる!」でもなくて、相手が同じ意見なら逆に違う意見を提示して、
「なんでなんで?」って聞くとたくさん答えてくれます。
めんどくさいですよね〜
でも、自分でも自分がどう思ってるのか気づいてないことってあるので、相手もそうな時は引き出すのも面白いです。
やっぱり口に出さないと内心何を考えてるかってわからなくて。
でも議論をすればどういう人なのかもわかるし、それでその人のことをもっと好きになったりします。
あと納豆卵かけご飯大好きです。
Q4.最近考えたこと、感じたこと:「私は何を残そう」
今回の作品に参加する上で知識になるかもしれないと思い
『マリウポリの20日間』という
ロシアによる侵攻を受けたマリウポリ出身の記者が、現地に残り命懸けで撮影をしたドキュメンタリー映画を見ました。
当時、被害にあった写真や動画がSNSでたくさん流れてきて衝撃を受けましたが、その被害の動画がフェイクだったという情報も流れてきたりして。
何が本当かわからない…
自分の目で実際に見たわけじゃないし、私は戦争を経験した訳でもないし。
どこか他人事になっていないかと自問自答しながら観ていました。
戦争に関わらずですが、今はSNSの情報が多すぎて、何を信じたらいいかわからないです。
いろんな人の意見が飛び交っていて、何が正しいのか考えることも難しいです。
SNSで何か情報をキャッチしてもどこかで疑ってしまう癖がつきました。
ただこの映画を見て、ニュースが嘘だったことがはっきりわかって。
戦争を経験していない世代の人たちが、目の前で爆撃を受けたり、大切な人を亡くしたりして、どんどん表情が変わっていくその姿は、とても他人事には思えなかったです。
真実をそのまま写していて、恐怖や怒り、悲しみが伝わってきました。
衝撃的な映像を目の前にして、私が1番に考えたのは、まず自分の身に起きたらどうするか。
「大切な人をどうしたら守れるか。」
作中で
『戦争はX線のようだ』
というセリフがありましたが、誰しも命の危機に晒されたら本性が表れ、結局自分の味方は自分しかいません。
私は今の生活をしてていいのか?
どう生きていけばいいんだ?
国を動かせるような権力もなければ、大切な人をみんな連れて海外に逃げるお金もない。
「日本で戦争が起きるなんてことはそうそうないよなあ」
なんて、私には思えませんでした。
だってここに映っている人たちも、戦争が来て大切な人が目の前で亡くなるなんて、きっと想像してなかったでしょ。
逃げ場も無くなって
近くで爆撃が起きないことを祈って
大切な人が無事なことを祈って
戦争が終わるのを待つしかないのか。
ただ、その時間の中でも、
エンタメは力になるとも思いました。
もしかしたら、あの時観た映画や演劇、アニメや音楽、いろんな記憶が、生きる勇気になるかもしれない。
笑顔にはなれなくても少しでも心を温かくしてくれるかもしれない。
じゃあ自分は、
この映画に与えられたように、
自分は、何を残そう。
表現者として何を伝えたいんだろう。
自分の人生から何を作品にしよう。
戦争だけじゃない、突然何が起こるかわからない世界にいることを受け入れて
毎日、仕事したり、芝居したり、友達とふざけて笑い合ったりする日常に幸せを感じながら、最近は頭をぐるぐるしています。
Q5.今回の脚本を読んだ時の感想、印象:「難しい!」
わーー難しい!!!
というのと
自分はどうなんだろう
と、すごく考えさせられました。
演出的な部分もあって、頭の中で想像しきれないところに連れていかれるので、
どうなっていくんだろうというワクワク感と、コメディな会話劇で笑いながらも急にぶっ刺さってくるという、どーゆーシステムですか?という感じです
阿久津さんの脚本ほんとにすごい。
私の役をやるための知識がかなり少ないので、
稽古期間にいろいろ集めながら、自分の頭で考えて、取り組もうと思います。
Q6.最後に自由にメッセージ
私は稽古でも緊張してしまうんですけど、阿久津さんが最初に、
「みんなでお話ししようよ〜」
って、雑談から始めてくれるのですごく心がほぐれます。
ありがとうございます。
大先輩方ばかりでして、本読みからもうすんごかったです。「お芝居を楽しむ」ってこういうことだよなあってなりました。
他のシーンの稽古を見ながら、私まで楽しませてもらっています。
心強すぎますが、お客さんから見たら経験値は関係ないので、私も置いていかれないように頑張らないとーーー!
阿久津さんの世界観をたっぷり楽しみます!!
みなさんにも楽しんでいただけたら!!!
よろしくお願いします!
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演出家コメント
今回集まってくれた9人の俳優たち。
蒼ちゃんはその中でただ一人、前作からの続投キャストです。
(前作のキャスト紹介はこちら。読み比べてみても面白いと思います。)
蒼ちゃんは、ぼくの演出と非常に相性がいいんです。
ぼくが表現したいこと、思ったことを汲み取って、即座に表現してくれる。
彼女と創作をしている時間はとても楽しく、豊かです。
だからこその続投。
その分の重圧もあるかもしれませんが、ぼくの予想通り、
強者揃いの座組でもその輝きは失われませんでした。
前作『バター、トースト、ジャム』を観てくださった方はなんとなくわかると思うのですが、
彼女のお芝居最大の武器は、その練度の高さ。
練度。
言い換えるのならそれは、役としての解像度の高さです。
役を演じるにあたって俳優は、程度の差はあれど「役作り」を行います。
これがまた途方もない作業なんですね。
簡単に言えば、役作りは終わりがないんです。
役の大小にかかわらず、やろうと思えばどれだけでも深いところへ潜れます。
しかしその一方で、
どれだけ深い役作りをしたとしても、それが「良い表現」に繋がるとは限りません。
だからこそ、最低限、ポイントを抑える必要があるんです。
例えば、あなたが女性で、瑞々しい恋愛ものの作品に出演すると考えてみてください。
充てられた役柄は18歳。青春真っ盛りの女子高生だとしましょう。
自分の年齢に当てはめれば、過去にある程度経験はしているでしょうから、当時の記憶を呼び起こすことができれば、なんとなく演じること自体はできそうです。
(技術的な部分は一旦置いておきます。)
ではここで、闇雲に役作りをしようとするとどうなるか。
その女子高生の抱える葛藤やコンプレックス、好きなもの、嫌いなもの、etc…
それが脚本に描かれていないことだとしても、
いくらでも想像で創り上げる(役を作る)ことができるのがわかると思います。
しかし、繰り返しになりますが、ここで何より最も大切なのは要点を抑えることなのです。
要点。演じるうえで抑えなければいけない大事な部分。
例えばこういうものです。
・自分が出ているシーンはどんなシーンなのか。
・その人物はどんな感情なのか。何を考えているのか。
・その人物の目的はなんなのか。
・その人物の作中での役割はなんなのか。
もちろん他にもたくさんあります。
そして彼女はおそらく、それらの要点が直感でわかっているんだと思います。
演じるうえで必要なものがわかっている。
それに加えて、演じる役柄の心に寄り添い、かつ、
自分自身のパーソナリティの良いところをきちんと役柄に乗せることができる。
これは彼女の才能だとぼくは思います。
実際、脚本の読解やディスカッションをしていても、蒼ちゃんから出てくる発言には度々膝を打ちます。
作品を、脚本家の想像のさらに上へと押し上げてくれる俳優。
新しい景色を見せてくれる俳優。
まさしく、演じることの真髄を見せてくれる俳優です。
褒めすぎてもあれなので(?)
ここからはより客観的な批評をしておきます。
これは、一度一緒にやったからわかったことなのですが、
「関口蒼」という人間はきっと、
ぼくが想像しているよりもずっと、不器用なんだと思います。(違ったらごめんね。)
前回の公演期間中では彼女の持つクレバーさに上手く隠されていて見抜けなかったのですが、
最近になってようやくそれがわかってきました。
類まれな感性を持っているにもかかわらず、とりわけ
「何故そう思ったのか」の言語化が苦手なのです。
俗に言う天才肌。センス型。
ひとたび彼女の中で一本筋が通れば、誰にも真似できないレベルにまでお芝居を高められるその一方で、
そこにたどり着くまでには少し時間がかかる。
きちんとすり合わせる必要がある。
しかし、何ら心配はありません。
彼女は、失敗することを厭わずにチャレンジすることができるのです。
クレバーさと素直さ。謙虚であること。
常に自分を見つめ直し、
高みを目指して意見することができる。
現に、上記Q&AのQ3項目、
「私の好きなもの」でも
「議論が好きだと気付いた」と書いてくれています。
もあダむの稽古場は対話の量が非常に多いので、
そういう意味でも是非、彼女とは今後も創作を続けていきたいと心から思います。
また、加えてぼくが注目したのは、上記Q&AのQ4項目。「最近考えたこと、感じたこと。」
こちらから何も言わずとも、普段彼女が観ないであろう題材の作品をすすんで観て、そのうえで彼女が見たもの、感じたことを彼女なりに言語化してくれました。
それがぼくはたまらなく嬉しかったのです。
自分が思ったこと、感じたことを誰かに伝える。
共有する。
それは、今後彼女が成長するために確実に必要なことです。
だからこそ、
ぼくは彼女には意図的に自分で考えてもらうようにしています。
示すのは方向だけ。
「今こう見えている」という現在地だけ。
具体的に「こうしてほしい」というオーダーを出さない。
そして、演じてもらった後には、その時の感情を自分で言語化してもらう。
良い感性を持っている彼女ですから、
彼女が自分の感性を信じて突き進むことができれば、
類を見ないほど良い俳優になることを信じて疑いません。
今作で彼女に充てた「希(のぞみ)」という役。
作中でも非常に重要な役割を担ってもらっています。
前作と比べて、役としての性格や作中での役割は真逆に近いものの、彼女の感性を乗せることでやはり、今回もとても魅力的なキャラクターに仕上がりそうです。
希という役を「関口蒼」という俳優に演じてもらうことでこそ、ぼくが今作に込めた想いや伝えたいことが、お客様に届くと信じています。
どうぞ、ご期待ください。
p.s.最近巷で流行っているMBTI診断をやってみた結果、ぼくと蒼ちゃんは同じパーソナリティを持っていることが判明しました。通りで気が合うわけだ。
(阿久津京介)
クラウドファンディングのご案内
もあダむvol.2『MEME』は、
2024/6/26(水)~7/3(水)、下北沢シアター711にて上演されます。
クラウドファンディングにご参加頂くと、
支援者限定で当HP上で公開中の、【稽古場日誌】がご覧いただけます。
(※「出演者を応援コース」を除く)
実際の上演だけでなく、「創作の過程」を併せて体験して頂ければ何よりです。