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5月7日火曜日。

はじめまして。演出助手藤田頼奈です。
演出助手のお仕事の一つとして、稽古場日誌を仰せつかりました。
これから日々の稽古場の様子を、私達なりの視点でお届けできればと思います。
どうぞお付き合いくださいませ。

本日は、もあダむ第二回公演『MEME』の始動日でした。
朝からの顔合わせはなかなかに新鮮でしたが、ワクワクする気持ちで無事に起床。
GW明けの鬱々とした気持ちが充満する満員電車に揺られましたが、私は心軽やかでした。

さて、本日の顔合わせ、キャスト・スタッフ合わせて18名もの人が集まり、作品について、創作について話し合う非常に豊かな時間となりました。
中でも特に印象的だった、ハラスメントについての話し合いと、読み合わせ〜意見交換についての話をシェアしたいと思います。

昨今特にデリケートな問題となっているハラスメント問題。
阿久津さんから
「ハラスメントの基準は本当に人それぞれなので、みんなで話したい
というお話があり、それぞれの経験や知識をもとに、意見交換を行いました。

いやぁ…本当に難しい問題。
だけど絶対に無視してはいけない大切なことです。
お互いにリスペクトの気持ちを持ち、信頼しあって、より良い作品創作をしていきたいと強く思いました。

そしてその後に、待ちに待った読み合わせがスタート。
文字だけでもおもしろかった脚本が、素晴らしい役者さん達の声によってより一層魅力的になり、私はこの作品に関われる幸せを改めて噛み締めておりました。
なんといっても…それぞれの役者さんだからこそできる役に描かれているのがすごい。
自己紹介の際、阿久津さんからそれぞれへの一言コメントの時間があり、阿久津さんがどれだけこの座組を愛しているかがとてもよく伝わってきたのですが、そんな愛が溢れている脚本だなと改めて感じました。

終了後の意見交換は、「この作品をより良いものにしたい」というそれぞれの想いがとてもよく伝わってくる素敵な時間でした。
おもしろかったところ、良かったところ、難しかったところ、わからなかったところ…
私はこの時間で、この座組ならきっと良い作品が創作できると確信しました。

長くなってしまった…そろそろおしまいにします。
これから始まるお稽古の日々が今から楽しみでなりません。
阿久津さんと、キャスト・スタッフの皆さんと一丸となって、素敵な作品をお届けできるよう努めてまいります。

6月26日〜7月3日。下北沢シアター711にて
どうぞご期待ください!

(演出助手:藤田頼奈)

おはようございます。
もあダむ第2回公演『MEME』の演出助手を務めます北野義隆と申します。
これからこのHP上で、今回の公演の創作過程をお届けいたします!
創作過程で感じるキャストの方々の魅力、想い。
みなさんが、この作品を観るのが少しでも楽しみになるようなお手伝いができたらと思っています。

さあ、今日は「顔合わせ」の日でした。
実際に今回の舞台に出るキャストの方々と制作陣とで「はじめまして。よろしくお願いします。」をする日です。

今回の作品は、9名のキャストでつくっていきます。
Q本かよさん、鐘ヶ江佳太さん、乙木瓜広さん、光岡紗良さん、榊原あみさん、関口蒼さん、丸山港都さん、奥泉さん、そして大塚由祈子さんです。
今日は自己紹介をして、契約書を取り交わした後、本読み、ディカッションを行いました。
それぞれのキャストに対しての印象をお伝えします!

Q本かよさん
まずはじめに会った瞬間、めっちゃ緊張しました。
そもそも私は初めましての方だらけ、そして初めての演出助手という仕事ですでに緊張しているというのもありましたが、Q本さんの持つその雰囲気に圧倒されました。
ですが!実際には柔らかいお人柄の、素敵な俳優さんです。
スタッフ陣にも優しいんです。自らお菓子の差し入れを持ってきて下さり、
「これ美味しいよ!食べなよ!」と言ってくださったり…ありがとうございます。
ご出身は石川県能登半島
いろんなことを経験してきたからこそ出るそのお芝居。説得力があります。

鐘ヶ江佳太さん
低く安定した声でありながら、ふとその声色が変わる時、佳太さんの優しさを感じます。
すごく繊細で、知的で思いやりのある演技をする人だなと思いました。
人がつくったものを壊さず、ただその中に存在する。本読みで印象に残ったのは、特に人の話に対する反応でした。なんだかとてもユニークで、とても穏やかで柔軟な人だなと思うばかりでした。
ちなみに普段は、とってもチャーミングなお方です。

乙木瓜広さん
まずはじめに、その個性派俳優ぶりに圧倒されました。
いったいどういうことを日々思って生活しているんだろうと気にならざるを得ません。
「乙木瓜広」という名前は、とてもオトボケさんらしくて素敵だと思います!
本読み後、他の出演者さんと話している姿を拝見しましたが、それはもう謙虚で、それでいてやっぱりどこか面白い、、オトボケさんの演じる役がどんな風に仕上がるのか、楽しみです。

光岡紗良さん
今回の座組で最年少です。
Twitterには、「演劇初めて12年くらいになりますが、初めての下北」とのこと。
私は、初めましての人に会うとき、どんな人かな?と想像するんですが、光岡さんは一番ギャップを感じた方でした。
特に。自分に芯があるから、その声が出せるんだなと思いました。他のキャストさんを見てても思いましたが、芯がある役者さんはとても魅力的に見えます。この台本にスパイスを与えてくれるような方です。

榊原あみさん
いつもニコニコしていて、いるだけで場が明るくなる。周りを和ませることができる俳優。それでいて、すごく謙虚なんです。顔合わせにも一番乗りで来ていました。きっとすごくプロ意識が高いんだと思います。
阿久津さん曰く「自分のことをよく分かっている俳優」。
彼女にしか出せない魅力がある。それがお芝居をすることで何倍にも膨らむ。
あみちゃんの演技には、演劇の面白さが詰まっています。

関口蒼さん
唯一の続投キャストさんです。(第一回公演は、私も拝見しました。)
前作は、心の距離を描いた難しい作品だったと思うのですが、蒼さんの演技は印象に残っていました。
堂々としているし、その場に存在している目的がはっきりしているような…。上手く言えないんですが、存在感があって、本当に素敵な人なんです。
阿久津さん曰く、「一番僕の演出と相性が合う子」。
本読み後のディスカッションでも、続投キャストならではの発言が。頼もしいです。

丸山港都さん
実は、私の大学の大先輩です。
そんなこともあってお会いするまでは緊張していたんですが、実際にお会いしての港都さんは、直前まで出演されていた『ハザカイキ』で行った大阪の土産を持ってきてくださったりと、とてもとてもやさしい方でした。
本読みでは、港都さんの第一声を聞いた瞬間、おお!と心の中で何かが弾けたような気がしました。お芝居の奥深さを感じます。本読み後のディスカッションでも、「この座組としてどこを見せたいか、何を芯にするか」という質問をしていたりと、座組を引っ張っていってくれそうな俳優さんです。

奥泉さん
阿久津さんから、奥泉さんが演じる役は「難しい役」だと聞いていたので、一体どんな人が来るんだろうと思っていました。
肝が据わっている役者さんだと思いました。心臓の強さといいますか。
奥泉さんならこの役を演じきってくれると思います。
ちなみに稽古外の休み時間の奥泉さんは、お茶目な方で、屈託なく「スマホの充電、できますか?」と聞いてくる方です。かわいい。勿論、充電できます。
これから難役をどう描いていくのか楽しみです。

大塚由祈子さん
あだ名は、ゆっこさんです。溢れ出るオーラと人の良さ。安心します。
特に、休み時間も積極的にコミュニケーションを取っていて、場を和ませている。すぐに私もファンになりました。ゆっこさんから阿久津さんへは「あーすけ(阿久津さんのことです)は正直だから、この人は本当にそう思って言ってくれてるなと信じられる」との一言。いい関係性だなあ。
本読みでは、ゆっこさんがグルグルと回していくそのハイペースな演技劇全体を活性化させて、めちゃくちゃ面白くさせていました。プロフェッショナルです。
ディスカッションでも、「身の回りにあるものを尊く思える舞台にしたい」と力強く仰っていて。かっこいいです。議論にも進んで参加して、座組全体を活性化して下さります。

長々と話してしまいましたが、本番までの約2か月、このキャストの方々のために、座組のために全力でサポートしたいと思ってます!

もあダむ第二回公演『MEME』始動です!
どうぞよろしくお願いします🙇

(演出助手:北野義隆)

演出家所感


実に良いキャストが集まってくれました。
書類選考が156名。その中から実際にお会いしたのが88名。その結果、今回お願いした9名
全員が個性的で、魅力的
演劇アベンジャーズさながらの座組になりました。
きっとどこかで観たことがある、名前を聞いたことがある俳優が多いのではないでしょうか。
もあダむとしても非常に重要な第2回公演。盤石の布陣で臨めそうです。

加えて、集まってくれた頼もしいスタッフ陣。
制作は引き続き、松戸デイモン率いるMADカンパニー。制作補佐、村田正純。
照明は前作『バター、トースト、ジャム』で佐藤佐吉賞最優秀照明賞を受賞した緒方稔記
音響は佐吉賞優秀音響賞を受賞した日影可奈子深澤大青のお二人。
もあダむで音楽を担当してくれているLailielが今回も劇伴を担当、作品を彩ります。
そして。
今回フライヤーのメインアートワークを手掛けてくださったのは、国内外でも注目されている画家・アニメーション作家の有吉達宏氏です。プレスリリースで公開したフライヤー。実は本番に向かっていくにつれて変化するデザインとなっています。そちらも併せてお楽しみに。
また、本作『MEME』ではアートディレクターというセクションを設けています。演劇ではあまり馴染みのないものですが、様々な芸術に造詣が深いカミヤママドカさん(MEANTIMEΣ)とタッグを組むことで、演劇という総合芸術の本質を魅力を最大限に引き出す公演にしたいと思っています。

最後に。
上で稽古場日誌をお願いしている演出助手の藤田頼奈さん、北野義隆くん。
普段はプレイヤーとして俳優をやっているお2人です。
今回、ぼくからお願いをして演出助手を務めてくれることになりました。
実はぼくの場合、この演出助手にどういう人間を置くのかというのが極めて重要で。
と言うのも、もあダむにおいて、演出助手の2人には本来の業務に加えて、「演出家を見張る」という仕事をお願いしているのです。

ぼくは、俳優ができるだけ自由に、豊かに創作に打ち込める環境を作ることも、演出家の役割だと考えています。互いに意見を出し合い、擦り合わせ、より良い作品に仕上げていく、共作できる環境を作る。そのためにも、演出助手の二人には、演出家であるぼくが俳優たちの権利を侵さないよう見張る、対等な第三者、ドラマトゥルク的な役割をしてもらっています。
精神的にも負荷がかかる、大変な業務だと思います。
改めて、引き受けてくれてありがとう。この場を借りて感謝を伝えたいです。

そしてこの稽古場日誌。今後の演劇界ではその創作過程をよりオープンにしていくことが必要だと考えています。(詳しくはこちらから。)
稽古場で起こったことを、客観的な目線で捉え、言語化する。
上の、二人の文章を読んだ方はなんとなくわかるかと思いますが、それぞれ全く違う観点で書いてくれています。
同じ場にいても、同じものを見ていても、伝え方が、感じ方が違う。
ぼくも、その日の稽古がそういう風に見えていたのかと反芻しながら楽しんでいます。
最後までみなさんも一緒に楽しんでいただけると幸いです。

以上、頼もしいキャスト・スタッフでお送りするもあダむ第二回公演『MEME』。
今年の夏は、もあダむが席巻します。
どうぞお楽しみに。

公演情報:もあダむvol.2『MEME』

作・演出:阿久津京介
2024年6月26日(水)~7月3日(水)-全14ステージを予定

チケットのご予約はこちら
https://r7ticket.jp/moredomvol2MEME62673/moredom
(R7チケットサービス)
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生活。
私たちの生活。
誰もが望む、平凡で平穏な暮らしのなかで
確かに近付く戦争の足音。
遠くで響く銃声。

「私たちの生活」と「戦争」をテーマに、現代社会の孕む問題をシニカルに描いた群像劇。
これは私たちの、しずかなせんそう。

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出演
Q本かよ、鐘ヶ江佳太、大塚由祈子、奥泉、丸山港都、関口蒼(ASOBISYSTEM)、榊原あみ、光岡紗良、乙木瓜広

スタッフ
舞台美術:濱崎賢二 
舞台監督:井神雅基
宣伝美術:有吉達宏
アートディレクター:カミヤママドカ(MEANTIMEΣ)
音響プラン:日影可奈子
音響操作:深澤大青
照明プラン:緒方稔記(黒猿)
照明操作:江花明里
音楽:マリエ映茉(Lailiel)
演出助手:藤田頼奈、北野義隆
制作:株式会社 MAD カンパニー
制作補佐:村田正純
舞台写真・記録映像撮影:上野陽立
当日運営・企画・主催:もあダむ
協力:株式会社アニモプロデュース、アソビシステム株式会社、劇団東京夜光、黒猿、MEANTIMEΣ、株式会社MADカンパニー

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