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【プロフィール】奥泉(おくいずみ)
【生年月日】1997年2月5日
【出身地】埼玉県 【身長】172cm
【特技】脱衣
【趣味】麻雀
【略歴】
早稲田大学演劇研究会出身。同所で旗上がった「露と枕」に加入し、小劇場での活動を始める。その後「あんよはじょうず。」にも加入し、どちらの団体にも非常にお世話になったのではあるが、現在はどちらも脱退し、フリー。事務所も無所属。過去出演として、「モミジノハナ」「まぼろしのくに」「大川企画」「ゲキバカ」「アポックひとり芝居フェスティバル」など。
Q1.演劇、俳優を始めたきっかけ:「小林桃香。」
中学生のとき志望校の文化祭で軽音楽部のライブを観て、そこはただの視聴覚室だったし、きっと全然上手くなかったはずなのに、なぜか心奪われて、オンステージというものへの憧れが芽生えました。
その後、そこの軽音楽部に入り、ライブを重ねてやっぱり居心地が良く、しかし大学の軽音サークルに入った際は、周囲の知識や技術やそもそもの「好き度」に対して劣等感を抱き、音楽からは離れます。
それでも「何かしたい」と燻ってた大学2年生のとき、
学部の後輩(小林桃香)が出演してた劇研(早稲田大学演劇研究会)の公演を観て、やはり作品自体が刺さったわけではなかったのですが、とにかくそこに居た人たちが輝いて見えて。
大学3年の春に体験稽古に行ったら、ファッション変人どものキ〇ガイ選手権みたいな環境で、
「ここが居場所だ」
と思いました。
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そして時間を経て、お芝居や演劇のことをちゃんと好きになっていきまして、今に至ります。
Q2.影響を受けたもの、私をカタチ作ったもの:「川越高校。」
音楽、マンガ、お笑いなどが、
不勉強ながらも私の好きなものに該当するのですが、
もちろん中学の頃から好きなものもあれば、大学以降に知っていったものも沢山ある中、高校時代に出逢ったもの、つまり高校時代の友達から教わったものがとりわけ、私に強い影響を与えているように思います。
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他校のかっこいいやつが演奏していたハヌマーン(バンド)や、クラスメイトからなんともなしに薦めてもらった『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(漫画)、そしてラーメンズ(コントグループ)。
もちろん他にもたくさんあります。
なにより川越高校という環境そのものが、
そのまま私をカタチ作っているはずで。
いやぁあれは本当に楽しい日々でした。
まじでみんな大好きです。
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Q3.私の好きなもの:「まずはビール。」
普段はサッポロ黒ラベル、いいことあった日はヱビス、存分に楽しむときはIPA。そこへ、ニンニクとデスソース。私の身体はほぼこれで構成されています。
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ちなみに稽古・本番期間中のニンニクは、なるべく我慢しております。
Q4.最近考えたこと、感じたこと:「よくないことですが…」
いったりきたりして、最近はとりわけ、考えることや感じることを放棄しているかもしれません。
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人を見て素敵だと思ったり、空を見て綺麗だと感じることができたときは、ひとたび安心するとともに、それが特別であることへの焦燥感や罪悪感を覚え、そしてその思考が既にメタ的なものへと移行している事実に自己嫌悪するなど、します。
Q5.今回の脚本を読んだ時の感想、印象:「私と社会と大切なもの、的な。」
最初、タイトルが「メメ」だと思ってました。
「ミーム」でした。
『MEME』という言葉を調べてみて、なるほどなぁと。
「動物園のパンダと野生のパンダ、どちらの方が幸せなのか」
というディベートを小学生のころ授業でやった憶えがあります。
高校-大学くらいの期間では、「国とは」、みたいなことをよく考えていました。世界史が大好きで、今でも少しの知識は残っています。
共同体が個人にもたらす最大の利益は「安全」だと思うのですが、
それを最大限に享受しておきながら、
そのうえ格差などの影響をあまり受けていない育ちをしておきながら、
私は、「万人の万人に対する闘争」状態への憧れを捨てきれず、
脳内アナーキストとして消費者金融からの電話を無視し、
昼間からのビールとウィスキーで失った平衡感覚を頼りに、
自分の生活水準と国家経済が
「ある種近似のどうしようもなさ」を抱えていることに気付いて、
「だったらもういいか」って次の一杯、
そして未来に期待しないことを「美徳」と思い込むような
ただのやけっぱちを数年続けてしまっていることにそろそろ自覚を持たねば、
何を「幸せ」としていたのか、
そろそろ忘れてしまうのかもしれません。
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概ねの「法」というものは本当によくできていると思っているので、
私はこの世界を変革させることにあまり興味が持てません。
恵まれているから。
私はまだ20代で、
両親が健在で、
大学まで通わせてもらえて、
生命への不安など感じたことがなくて、
男性で、
日本に生まれた日本人だから、
それらのうち何かがなかった人生など想像ができなくて、
何かを感じたり考えたりすることが、
全て傲慢で愚かなことのように感じられて、
苦しむ資格なんてないだろうから、
直視できない現実に粛々と体を開くことでしか皆様に顔向けできない。
私は動物園で生きていたいんだ、きっと。
それでも。
出逢ってしまったあなたに忘れられてしまったら、
それはそれは悲しいってことだけは分かるので、
日々の、
私の矮小な戦争を、
私は、闘わねばならないのだ。
僕の名前はエンポリオです。
奥泉です。
敬具。アディダス。
Q6.最後に自由にメッセージ:「最高のものを!」
かなりおもしろい作品だと思っております。
そのうえキャストの皆様が素晴らしくて、
私は日々の稽古で勝手にビビり散らかしながらも、
凄まじい勉強材料を目の前にしている幸福を噛み締めております。
何より、とてもいい役をいただけました。
その誇りを胸に、最高のものを皆様にお届けできるよう、ここからも邁進していく所存です。
お楽しみになさっていてくだせぇ……!
よろしくお願いいたします!!
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演出家コメント
どうでしょうか皆さん。
この回答たちから伝わってくる熱量と言いますか、ユーモアと言いますか。
もしかすると、なんのことを言っているのかわからない箇所もあったかもしれません。
奇人。変人。
しかし侮るなかれ。
彼はそんな言葉の枠に留まらない俳優です。
独自の感性に裏付けされた、確かな実力があります。
現にぼくは、彼と出会うずっと前から、彼のことを知っていました。
「〇〇に出ていた奥泉という俳優がヤバかった」
そんな話を聞いたことも、一度や二度ではありません。
彼が過去に脚本・演出・出演を手掛けた一人芝居を映像で観たことがあるんですが、やはりそれも奇天烈な面白さでした。
(余談ですがその作品は、同時に上演されていた数ある作品の中で観客賞を受賞しています。)
ぼくが彼に初めて会ったのは、
初めて「奥泉」の名前を聞いてから、幾ばくかの日々が過ぎたころ。
ふらりと立ち寄った、とある喫煙所でのことです。
そこで一人ぽつんと、
異様な雰囲気を放ちながら煙草を吸っていたのが彼でした。
「君、名前はなんて言うんだい」
「…奥泉です。」
「君が奥泉か!!!!!!!」
思えば、「運命的な出会い」とは、決まって日常の中に潜んでいるものです。
あの瞬間はきっと、漫画なら一巻の第一話。
酢豚の中のパイナップル。
風の中の昴。
それと、便座カバー。
実は今回の脚本を描き上げた時、真っ先に名前が浮かんだのが彼です。
妖艶でミステリアスな雰囲気に満ちた、唯一無二の俳優。
出演した作品のそのほとんどで、
必ずと言っていい程大きな爪痕を残す俳優。
喫茶店で、「今日はぼくが出すよ」と言うと、ハイネケンを4,5本飲む男。
それが奥泉です。
ぼくは彼のこういうところを心から愛しています。
彼のそんな魅力はお芝居にも表れています。
セリフの言い回しや動きの細部に妙なこだわりがある。
これも非常に良い味になってるんですよね。
「神は細部に宿る」と言いますし、
特にお芝居をする上ではやっぱり、
「ぼくはこうしたい」
「私はこう読んだ」っていう直感は、大切にした方が良いと思うんです。
きっとそれが個性になっていくから。
そういう意味でも彼は、実に良い下地を持っている。
きちんと学もあるうえに、それ相応の知識もある。
加えて、アニメや漫画、お笑いなどのサブカルチャーに対しての造詣も深い。
泰然自若な一方で極めて誠実、異常なまでに腰が低い一面がある。
極めてアンバランスなバランス感覚。
掘れば掘るほどに面白い俳優です。
意外にもまだ若いんですよね。
これから彼が歳を重ねて、どんな俳優になっていくのか。
期待せずにはいられません。
今回奥泉くんにお願いしている「幸村」という役は、
ひとことで言えばカリスマ。作中屈指の難役です。
おそらく彼にしかできない役なんじゃないかな。
音楽にルーツがあるという点や、
漫画やアニメが好きという点でも
ぼくと非常に共通点が多い彼。
そういった、ある種の共通言語があるという点においても奥泉くんと創作をするのはスムーズで楽しいです。
稽古期間を経て、彼がどんどん役に近づいていくその過程。
それを間近で見られているだけでも
今回『MEME』という作品を描いて良かったなと思えます。
きっと観た人の心にも強烈に残る役になるでしょう。
必見です。
(阿久津京介)
クラウドファンディングのご案内
もあダむvol.2『MEME』は、
2024/6/26(水)~7/3(水)、下北沢シアター711にて上演されます。
クラウドファンディングにご参加頂くと、
支援者限定で当HP上で公開中の、【稽古場日誌】がご覧いただけます。
(※「出演者を応援コース」を除く)
実際の上演だけでなく、「創作の過程」を併せて体験して頂ければ何よりです。