【プロフィール】大岩世奈(おおいわ・せな)
【生年月日】2001年2月25日 【出身地】愛知県 【身長】171cm
【特技】アクロバット、スケートボード。
【略歴】
高校卒業後、本格的に俳優業をスタート。
主な出演作に映画『ピリオド打ったらカタルシス』(監督:CRAZY JOE)、「みをつくし料理帖」(監督:角川春樹)、舞台 「山口ちはるプロデュース 〜仮名手本〜『百物語』」(演出:倉本朋幸)、MV 南無阿部陀仏「愛爆発」、MV ORCALAND「言え」などがある。
Q1.演劇、俳優を始めたきっかけ:「全国小中学校巡回公演。」
本格的に始めたきっかけは、「全国小中学校巡回公演」という少し変わった形でした。
それが初めてのお芝居だったんですが、1ヶ月半みんなで一丸となって稽古をして。
チームがまとまっていく感覚とみんなのお芝居の方向性が定まっていく感覚にとってもワクワクして。
そこには、未熟な私でも感じ取れるほどの強力なパワーがありました。
そして何より舞台袖の緊張から舞台上に出た瞬間の感覚。
雑念を吹っ飛ばして自分の最大限の集中状態でお芝居をする。
お金をいただいてプロとしてお芝居するプレッシャーと、その状況を楽しめた瞬間は何にも変えられない幸福感と達成感がありました。
また、私にとって役者として一番大切にしたいモノにも出会えました。
それは終演後のお客様の素敵な表情や感想。
これらは本当に何にも変えられないと感じました。
「絶対にこの仕事でご飯を食べていくんだ」と思いました。
Q2.影響を受けたもの、私をカタチ作ったもの:「家族」
家族です。
私は家族が大好きです。
父親の仕事への取り組み方や物の考え方は私の仕事へのスタイルに繋がっています。
母親の分け隔てない人への関わり方は私の人間関係に直結しています。
姉の底なしの優しさ。とても温かくて、姉から受けた優しさを常に少しでも多くの人にお裾分けできたらいいなと思って接しております。
そして祖父・祖母からもらった、純粋で真っ直ぐな愛。
きっとそれは私の目に表れていて。「真っ直ぐな目をしているね」とよく言われます。
家族の存在が、今の自分の人を信じる力につながっています。
この舞台を通して家族をはじめ、お客様に「ありがとう」と伝えたいです。
Q3.役作りや稽古の準備のはじまり:「バックボーンを想像する。」
まずは、役の背景を考えます。
本作で私は「コウキ」という役を演じさせていただきますが、それにあたって、
「彼がどんなふうに育ってきて、彼を形作ったものはなんなのか」をまず考えました。
すると、少し前の自分と出会ったような不思議な気持ちになりました。
というのも、コウキのまっすぐで抜けている所は私と被っていると感じていて。
どれだけコウキに寄り添うことができるか。
コウキと一緒に悩んで。考えて。
でもきっと、答えなんか出ないと思います。
それでも寄り添って対話をする。
そうすることで、コウキとしてこの瞬間を生き抜けるんじゃないかなって思います。
一回一回の稽古で、ヘトヘトになるくらい全力でコウキと向き合って、沢山質疑応答して。
例え曖昧でわかりづらい答えが返ってきても、決して見捨てずに最後まで信じて悩み続けたいです。
Q4.演技、お芝居について最近考えたこと:「”心”でお芝居をする。」
私は、お芝居の技術に関しては座組の中で一番乏しいんではないかと、稽古をしていく中で感じていて。
そんな中でコウキという役が踏み潰されないようにする為にはどうしたらいいのかを考えています。
皆さん本当に素敵なメンバーで、個性も強く、きっと自分が少しでも手を抜いたらあっという間に消滅してしまう。
「私には何があるんだろう。何ができるんだろう。」
リアリティを追求してお芝居を楽しむ事。
自分にしかない、家族や大切な友達にもらった“心”でお芝居をする。
いかにウソをホントにするのか。
自分の為にではなくて、人の為に。
そう考えています。
Q5.俳優としての座右の銘:「感謝と反省。」
「感謝と反省」。
父親から耳にタコができるほど聞かされた言葉です。
どんな職業の方にも通用すると考えていますが、私は俳優としてこの言葉を落とし込みました。
この言葉を心にしまっている俳優さんは、
一つ一つの作品に対しても、一人一人の人間に対しても
絶対に失礼な態度を取らないと考えてます。
常に人に感謝をして、自分を省みるはずです。
どこまでも満足せず、常に人の為に動ける人間でいたいです。
Q6.最後に自由にメッセージ:「かけがえのない時間にします。」
本公演でコウキ役を努めさせていただきます。
大岩世奈です。
私を含め、他のキャストの皆さんの紹介文に少しでも目を通していただいた方々。
貴重なお時間を割いて読んでいただき、本当にありがとうございます。
また、劇場まで足を運んでくださる予定の皆様。大変嬉しいです。
必ずお客様にとって素敵な、かけがえのないお時間にします。
私自身、旗揚げ公演という初めての経験をさせていただくにあたって、
不安と緊張と喜びなど、様々な感情で心が躍っております。
まだまだこれからで、未熟な私ではありますが精一杯向き合います。
これが今の私の全力120%です。
全公演、最高な回にいたします。
劇場でお待ちしております。
演出家コメント
大岩世奈くん。座組最年少。
自分でも書いていましたが、おそらく今回のキャストの中で最も経験が浅いのは彼だと思います。
厳しいことを言うと、読解力も対応力もまだまだ未熟です。
現に、こちらが
「今、世奈くんはこういう動きをしてくれたけど…」
という話をしたときに
「そんなことしていましたか?」
と疑問で返されることがよくあります。
自分がしたこと、言い方を覚えていない。
しかし、彼はそれほどに役として生きているんだと思います。
今の彼だからこそできる芝居がある。演技がある。
ぼくが他のキャストのコメントでも寄せた「考える」ということ。
もちろん、俳優としていずれは身につけなければいけない技術です。
本人としても悩んでいると思います。
しかし彼は、俳優として一番大切なことができています。
それはお芝居を楽しむこと。
ぼくと彼には、音楽が好きという共通点があります。
よく一緒にパンクロックの話をします。
そのときの彼はとてもキラキラしていて。少年のようで。
お芝居をしているときや、ぼくの演出に耳を傾けているとき、彼は同じ目をしています。
心から楽しんでいる。生きている。
だからこそ、自然と見てしまう。見ていて心が動く。
板の上での彼は、どんな優れた俳優よりも魅力的に見えます。
「こう見せたら」
「こう言えば」
考えること。
繰り返しにはなりますが、本当に大切なことです。
しかし、観客の心が本当に動くのは、生きている人間の本物の感情を見た時です。
チープな言い方にはなってしまいますが、彼は天才なんだと思います。
地頭が良いとか、学があるとか、そういう意味ではありません。
特筆すべきは、彼の感性です。
純粋な動き、純粋な言葉。
思考より先に身体が動く。反射的にセリフが出てくる。
それでいて、そこに一切の邪念がない。
それはお芝居をしているときの「目」を見ればわかります。
「目は口ほどに物を言う」
とはよく言ったもので、セリフに感情が乗っているとき、
俳優の「目」は嘘をつきません。
演劇にまつわる、とある言葉があります。
「舞台上に椅子を一脚置くといい。それは、最も優れた俳優である。」
舞台上に置かれた椅子。
それは、何も考えず、何も語らず、ただそこに在ります。
椅子以上でも、椅子以下でもなく、ただ、そこに在る。
彼は可能性の塊です。
彼が今後どんな出会いをして、どんな経験をして
どんな俳優になっていくのか。
今回の創作テーマ「創作過程を見つめる」。
今作が、彼の成長の一助となれることを切に願います。
(阿久津京介)
【大岩世奈扱い】バター、トースト、ジャム 予約フォーム (quartet-online.net)
クラウドファンディングのご案内
もあダむ旗揚げ公演『バター、トースト、ジャム』は、
2023/8/3(木)~8/4(火)、王子小劇場にて上演されます。
クラウドファンディングにご参加頂くと、
支援者限定の【稽古場日誌】がご覧いただけます。(※「出演者を応援コース」を除く)
また、「『もっと』創作過程を見つめるコース」をご支援いただくと、【稽古場日誌】に加え、俳優の感想・変化、演出の所感などをお届け致します。
実際の上演だけでなく、「創作の過程」を併せて体験して頂ければ何よりです。