越前屋由隆


【プロフィール】越前屋由隆(えちぜんや・よしたか)
【生年月日】1986年9月20日 【出身地】埼玉県 【身長】167㎝
【特技】バク転、耳を畳む、小道具などのものづくり、若本規夫さん・大平透さん(笑ゥせぇるすまん)の声マネ
【趣味】プラモデル製作・収集
【略歴】
早稲田大学第二文学部卒業。在学中は東京学生英語劇連盟Model Productionや四大学英語劇大会など英語劇に没頭し各賞を受賞。2009年「もんもちプロジェクト」活動開始、2013年劇団として改めて旗揚げ。2015年より絵本パフォーマンスユニット「WithME」活動開始。そのほか映像出演・ナレーションや、中学生~社会人による英語劇の指導などにもあたる。2019年、三島由紀夫『わが友ヒットラー』アドルフ・ヒットラー役を演じ、佐藤佐吉賞2019最優秀主演男優賞を受賞。2021年、自身初の一人芝居『pick the pieces』を企画・上演。

Q1.演劇、俳優を始めたきっかけ:「英語劇のカーテンコールを見て」


高校2年の時に見た大学生の英語劇。
そのカーテンコールで、それまでの十数年で自分がしたことのないような生き生きとした顔たちを見て、自分もそんな顔がしてみたいと思ったこと。

Q2.影響を受けたもの、私をカタチ作ったもの:「ヒーロー、ガンダムetc…」


物心ついたときから、ヒーローと、ガンダムと共にありました。沢山のことを学びました。
そして、英語劇。Talk and Listen。伝えること、受け取ることの難しさと尊さ。多面体である人間の美しさ


大学1年の時に上演した『I Hate Hamlet』(邦題『くたばれハムレット』)では,、舞台に立つよろこびを刻み付けられてしまいました。
勿論親と、また幼少期からそれぞれの時期に出会ってきた先生たち、友人たち、人にも恵まれたと思います。
そして今は、妻と息子という存在も、日々色々なことを教えてくれます。
つまりは、これまでもこれからも、出会う人たちすべて

Q3.役作りや稽古の準備のはじまり:「外面を変える」


割と形から入ります
内面と外面は相互に影響を受けると思っているので、外面を役に合わせて変えることは第一歩として近道ではないでしょうか。小道具や衣装なども活用します。勿論役者ですから(!)そこに存在しないものを、自身と見ている方の想像力を駆使してそこにあるように演じるということもありますが、できれば楽をしたい(笑)


いや、楽をしたいと言うと聞こえが悪いかもしれませんが、演技をするというのは様々な物事に瞬間瞬間「膨大なエネルギー」を必要とする行為なのです。そして個人の持ちうるエネルギーは限られているわけですから、演出的意図がない限り余計なエネルギーを割かないほうが、余力を持って演技を発展させることもできると思うのです。なので、仮のものでも小道具や衣装は自分である程度用意して稽古をすることが多いし、ジャージで稽古することが少ないです(笑)。

Q4.演技、お芝居について最近考えたこと:「グラスの中のお酒」


グラスの中のお酒のように、そのときその瞬間の自分を映しながら、飲み干すまでの一瞬にいろんなことを考えさせてくれる。そんなものだと思うし、ちゃんとそんなものを提供し続けたいと思いました。お酒を飲みながら

Q5.俳優としての座右の銘:「強いて言うなら…」


座右の銘と言われても特にないのですが、亡き師匠によく言われていた「ぜんは、楽な芝居をするなよ」というのはいつも頭によぎります。見られている気がして……やれやれ(笑)。「どうだい!」という気持ちでやってます。


(ちなみにQ3で書いた「楽」とは矛盾しないという認識ですが、おわかりいただけるだろうか……。笑)

Q6.最後に自由にメッセージ:「皆さんの近くにいられる芝居ができたら」


阿久津京介という人間が、演劇人が、ここからその世界をまた広げていく。それが一体どんな見てくれをしているかはわかりませんが、そんな瞬間に彼と、そしてこの作品をご覧になる皆さんの近くにいられる芝居ができたならそれは幸せだなと、そんなことを思っています。
劇場でお待ちしております!

演出家コメント


越前屋由隆さんです。通称「ぜんさん」

ダンディな見た目と、それに違わぬ聞いている人がうっとりとするような素敵な声をお持ちの御仁です。
(特技の「バク転」は、また今度見せてもらおうと思います。)

ぼくらが出会ったのはちょうど一年前の夏
あの頃も暑かったですね。

その現場には、ぼくも俳優として参加していて。
ぜんさんは元々、その脚本の「とある役」を演じる予定だったのですが、
何の因果か、読み合わせを経て変更、結果として、ぼくと濃密に絡む役になりました。

その作品は、岸田國士の戦争を描いたもので、
ぼくは戦争で名誉の死を遂げようとする兵士の役、ぜんさんはその上官の役です。

最初はその役柄や見た目も相まって(失礼でしたらごめんなさい)「少し怖い人なのかな」とも思ったりしていたのですが、全くそんなことはなく
その中身は本当に純粋で、まるで少年のようで、とっても優しい、おちゃめな人でした。

お芝居の中でのぜんさんは、どんなぼくも受け止めてくれて。寄り添ってくれて。
ぜんさんが相手役だったからこそ演じ切ることができた、と言っても過言ではありません。

ここからは演出家目線で話します。
ぼくが声を大にして言いたいのは、越前屋由隆は本当に良い俳優だということです。
自身でもユニットや劇団の主宰を務めているほか、「佐藤佐吉賞2019」では最優秀主演男優賞を受賞しています。

その確かな経験からくる読解力と、引き出しの多さ。ディレクションに対する咀嚼力
1を伝えたことを10で返すことのできる俳優。
これらは決して、一朝一夕で身につけられるものではありません。

泥まみれになりながら、幾度も舞台に立ってきたからこそ——それも闇雲に立っていたわけではなく、俳優として「考えながら」立っていたからこそ——培われた、確かな実力。
その存在感・俳優としての肉体は、唯一無二のものであるといえます。

彼を演出できるのは、演出家として本当に幸せなことです。


ぜんさんとはたくさんのことを話しました。
一緒につらい経験もしています。
住んできた環境や年齢は違えど、良き友人のひとりだと思っています。尊敬しています。
心から信頼しています。

比較的若い俳優が集まった今回の座組。
実力者揃いとはいえ、本当に良い座組を創るには
それを「受け止める」ことのできる懐の広い俳優が必要です。
だからこそ、ぼくが「旗揚げ公演をやる」と決めた時に一番に浮かんだのがぜんさんでした。

お酒が大好きなぜんさん。
いつも色んなことに気を遣ってくれるぜんさん。
「よつばと!」というアニメのスタンプを使っているぜんさん。

(出典元:有限会社よつばスタジオ)


今作でぜんさんに演じていただく「ケンジ」というキャラクターは、
元々は真逆のキャラクター設定でした。
しかし、オーディションを経て
ぜんさんに演じていただけるならと、ガラリと設定を変えてリライトしました。
個人的には大正解だったと思っています。

現場でも、常にフラットな俯瞰した目線で意見をくださり、本当に助かっています。
ぜんさんを交えたディスカッションの濃さを、是非みなさんにも見てもらいたい

今作にぜんさんが関わることでどう色が付いていくのか。
その「過程」を間近で見られている毎日が、本当に楽しいです。


いつまでも、どうか健やかに俳優活動を続けていてほしいです。
また共演もしましょうね。

『バター、トースト、ジャム』。
頼りにしています。

(阿久津京介)

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もあダむ旗揚げ公演『バター、トースト、ジャム』は、
2023/8/3(木)~8/4(火)、王子小劇場にて上演されます。

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実際の上演だけでなく、「創作の過程」を併せて体験して頂ければ何よりです。